「目で食べる」和食器の美しい魅力とは?

「目で食べる」和食器の美しい魅力とは?伝統工芸

和食器とひとまとめにできない奥深いのが、「和食器」です。

「器」「お椀」など
懐石を頂くと、数多くの小さな料理を頂きます。

一品一品
それぞれ違う器に入れられてきます。

そうなると料理ごとの
「和食器」も必要になります。

今回は、和食器の種類を中心にお伝えいたします。

和食の特徴

「料理の美しさ」

料理を作るうえで、「大切なこと」とは何だろうか?

栄養のバランスや健康的であることなど
生きていくために栄養を取る事はもちろんですが…

私たちにとって
やはり最も大切なのは
『味』です。



世界中には様々な地域性を持つ料理があります。
イタリア料理、フランス料理、中華料理など
そのどれもが美味しさを追求して作られています。


その数ある料理の中で

和食の特徴と言えば
「繊細な味付け」
「旬の食材を活かした季節感」
です。


味にもこだわって作られているのは、勿論のこと。
美味しさ以外にも大きなこだわりがあります。



それは
『料理の美しさ』です。



「日本料理は、目で食べる」

和食の見た目の美しさは、まさにアート!

丁寧に下ごしらえされた料理は、繊細な味を生み出します。
また見た目の美しさを考え、彩りの組み合わせにもこだわります。


『料理の美しさ』が、和食=日本料理の特徴です。

豊富な和食器


日本料理の見た目を良くするためには
「料理の色」だけではありません。


その料理を盛り付ける「食器」もまた重要です。


和食の場合は
陶器・磁器の器だとか
漆塗りのお椀など
素材の違う様々な食器が使われます。

一度の食事で茶碗や汁椀
小皿や盛り皿
小鉢や深鉢など

いろいろな食器を使用するのは、恐らく日本食だけだろうと思います。

だからこそ、和食のおもてなし
「目で食べる」ことへの情熱も感じられるのです!

和食器の特徴と種類

洋食器との違いとは?


和食器は、当然ですが日本料理に使われることを前提として作られています。

そのため、
日本の食文化に合わせて
改良されながら現在の形となってきました。

では、洋食器との違いはどんな点でしょうか?
まずは、それぞれ和食器と洋食器の特徴を見てみましょう。

和食器

  • 「丸・四角・八角形」などの様々なカタチがある。
  • 陶器・磁器などの焼き物と漆塗りなどの様々な素材。
  • 比較的に軽いものが多い。
  • 違う色や柄の鉢や皿を組み合わせて使う。

洋食器

  • 比較的に丸いカタチのものが多い。
  • ほとんどの皿のカタチが浅い。(スープボウル以外)
  • ほとんどの素材が、陶磁器でできている。
  • 同じタイプのものをセットで使う。


和食器と洋食器の違いを見ただけで、これだけの違いがあることに気がつきます。

洋食器は、シンプルな白色の磁器製が多いようにも思います。
セットで揃えて、金属のフォーク・ナイフで頂くイメージです。

それに比べて和食器は、柄や色・素材や形など様々でバリエーションが豊富です。
料理の種類も多いし、小さな器でちょっとずつ頂くイメージです。

食事の用途に合わせて、食器の役割も違うようです。

和食器の種類


そんな日本料理に必要な「和食器」には、
どんな種類があるのでしょうか?

小皿、中皿、大皿、平皿など。
細かく分類すると、長角皿や刺身皿などもあります。

食べ物を盛る平たく浅い器。
形は浅く、主に汁のない料理に使います。

茶碗、湯飲み茶碗、汁椀など。
皿に比べて深みがあり、片手で持ち上げられるもの。
ご飯や汁物などを盛るための食器。

木製のものを木偏の『椀』
陶磁器製のものは石偏の『碗』
金属製のものには金偏の『鋺』
の字を用います。

知ってました!?

深鉢、小鉢など。
椀ほど深みのない、皿より深くて上の開いた食器。

お酒を飲む時に使う盃(さかずき)。
酢の物などを盛ることもある。

一般的に口が広く、口は皿状に凹んだ高台つきのものを言います。





この他にも、
瓶、箱、鍋、箸なども
和食器に分類されます。

まとめ

和食器の魅力は、美味しそうな料理を引き立たせる!


食欲をそそる脇役の食器。

その脇役が日本料理の
『料理の美しさ』
を決定づけます!


まず目で楽しみ
そして味を楽しむことは
和食の醍醐味です。

日本では、もともと
一人分の料理をお膳に乗せて食べていました。

そのため
お膳に合うように様々な形の食器が
作られていたと考えられています。

料理の大きさや盛り付け方など
和食器と料理の色のバランスを考慮することで生まれた
様々な種類の食器の数々。

日本人は食器に手を触れて食事をする文化があり、食器を持ち上げて口に触れることもある。

そのために

和食器は軽量化され、手触りや口触りの良い材質が選ばれてきた。



日本食の魅力と奥深さを知って
「美味しそう」に見える
和食器を集めてみてはいかがでしょうか!?

きっと
料理も上手になって
美しい食器に盛ることで

繊細な味は、何倍にも
美味しくなると思いますよ!!

 

関連記事:

「和敬清寂」千利休が説く茶道のじーんとする心得とは?>

おもてなしの真髄「利休七則」とは?>

「わびさび」日本独自の背筋がピシッと伸びる美意識とは?>

究極にシンプルな焼き物「備前焼」の魅力とは?>

鮮やかな色彩が魅力的な久谷焼とは?>

わびさびの心に重要な「茶釜」とは?>

多くの職人に支えられた「輪島塗」とは?>

日常使いできる会津塗の魅力とは?>