「茶釜(ちゃがま)」は、茶の湯に使用する茶道具の一つです。
湯を沸かすための釜のことをいいます。
風炉に用いる茶釜はとくに「風炉釜(ふろがま)」と呼ばれています。
「茶釜(ちゃがま)」は、お湯を沸かす道具。
「釜ひとつあれば、茶の湯はなるものをよろづの道具をもつは愚かな」
といわれる特別な道具です。
現在でも茶会をすることを「釜を掛ける」という言い方があるくらい重要なアイテムです!
「釜(かま)」は、茶道具では「茶釜(ちゃがま)」と呼ばれています。
なぜなら、お茶を点てるためのお湯を沸かす釜だからです。
茶道においては、夏は「風炉(ふろ)」という炭を焚いた入れ物を畳の上に置いて、その上に釜を乗せてお湯を沸かします。
そのため、風炉に使う釜は「風炉釜(ふろがま)」とも呼ばれるそうです。
美味しいお茶には欠かせない「茶釜」
茶道を心得ている人にとって、美味しいお茶を点てる為に欠かせないのが「茶釜(ちゃがま)」です。
茶釜は、茶道具の一つでお茶に使うお湯を沸かすための「釜(かま)」です。
その種類は、数えきれないほど豊富にあります。
茶道を心得ている人に限らず、骨董品が好きな人にとっても茶釜は魅力的な物です。
健康面でのメリットは「茶釜(ちゃがま)」を使うと、鉄分が多く摂取できると言われています。
さらに、使い慣らした「茶釜(ちゃがま)」でお湯を沸かすと味が「柔らかく」「美味しく」なります。
シンプルで魅力の高い「天明釜」
「天明釜(てんめいがま)」あるいは「天命釜(てんみょうがま)」と呼ばれるものです。
これは下野国佐野庄天命、今の栃木県佐野市天明町で生産された茶の湯釜の総称。
古くは天命、「明」を「命」と書かれていたそうです。
古文書などから江戸時代初期頃までは、「天命」であったと考えられます。
「天命」は元々栃木県の地名で、のちに「天明」と変わりました。
そのため、両方の名で呼ばれています。
丸み帯びた形の釜が多く、地紋が少ないのでシンプルで落ち着いた雰囲気のある茶釜です。
「天命釜(てんみょうがま)」は詫びた肌合いに素朴で力強い造形に特徴があります。
茶道の大成者で茶聖とあがめられる千利休が、天命釜で一会を催した旨の文献が残されています。
華やかな印象のある茶釜は「芦屋釜」
「芦屋釜(あしやがま)」と呼ばれる筑前国遠賀川の山鹿庄芦屋津、今の福岡県で作られた茶釜のことです。
「真形(しんなり)」と呼ばれたお湯を沸かす道具として自然な形が特徴的。
胴部に羽などの優雅な装飾文様が表されることが多い。
天明釜と比べるととても華やかな印象のある茶釜です。
国の重要文化財に指定されている茶道具はたくさんありますが、重要文化財に指定されている茶釜のうち、ほとんどが芦屋釜であるほど歴史の深い茶釜でもあります。
「西の芦屋に東の天明」
茶の湯釜の名品として、「西の芦屋に東の天明」と並び称される
「芦屋釜(あしやがま)」と「天明釜(てんめいがま)」
茶の湯釜の国指定重要文化財9点のうち8点を芦屋釜、1点を天明釜が占めています。
日本における茶の茶釜は、侘茶の発展とともに茶道の美意識を体現するのもとして進展してきました。
安土桃山時代には茶道が隆盛を迎えた当時、「西の芦屋に東の天明」ともてはやされました。
使ってこそ味わえる茶釜の魅力とは?
茶釜の魅力は、使ってこそ味わえるものです。
茶道の世界では、千利休が湯の沸き加減についてこのように言っていたと伝えられています。
「お湯を沸かす音が、心を落ち着かせてくれる」と。
「蟹眼(かいがん)」
「連珠(れんじゅ)」
「魚眼(ぎょがん)」
「松風(しょうふう)」
の5段階に分けられます。
その中で、「松風(しょうふう)」がお茶に一番よい温度だといいます。
「蟹眼(かいがん)」「連珠(れんじゅ)」「魚眼(ぎょがん)」は、泡の大きさや特徴をいったものです。
「蚯音(きゅうおん)」は、水を加熱したときに初めて出る音だそうです。
ジジジという「ミミズ(蚯蚓)が鳴く音」を喩えた連続音。
「松風(しょうふう)」は、シュンシュンという「松林に風が抜ける音」を喩えた水の沸騰音。
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まとめ:茶釜の魅力
茶釜はどうしても錆びが酷くなりやすい扱いに気の使うものですが、湯を沸かす音に癒されたり、鉄分を補給できたり、まろやかな味を楽しめたりと良いことも多いのが魅力です。
茶釜を手に入れたら、是非一度はその茶釜で沸かしたお湯でお茶を味わってみてください!
静かなところで、千利休が癒された「お湯を沸かす音」を聞いてみてはいかがでしょうか?
静寂と小さな幸せを是非味わって楽しんでみてください。
どこかで千利休が作った「わびさびの心」を見つけられるかもしれませんね!
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