やちむんの里の歴史
『やちむんの里』の歴史
1682年頃、琉球王朝第11代国王の尚貞王(しょうていおう)は各地に点在した窯場を壺屋に集めて陶業の発展を図りました。
今まであった技術に加えて日本、中国各地の技術を吸収しながら焼き物の振興をはかります。
現在でも、那覇の壺屋には多くの焼き物やが軒を並べ「やちむん通り」と呼ばれていますが、近年、那覇は住宅が密集し焼き物を焼くには環境的に無理が生じ、窯場の多くは読谷村の座喜味城跡の近くにあるやちむんの里の方に移ってきました。
沖縄陶芸界の重鎮、故・金城次郎氏が招致され「やちむんの里」構想に何人かの陶芸家達が共同登り窯をつくり、その後若手陶工も読谷山焼「北窯」として独立しました。
現在は何軒のも工房が並び、各々売店や展示場など併設されて、この山間の里に来る人も増えています。
「やちむんの里」迫力いっぱいの登り窯は圧巻!
沖縄本島中部にある「読谷村(よみたんそん) 」
この自然に恵まれた中に「やちむんの里」と呼ばれる工芸村です。
「やちむん」とは?
沖縄の方言で「焼き物」のこと。
現在、そのやちむんを作る工房が18軒、ガラス工房が1軒がこの場所にあります。
やちむんの里は「読谷壺屋焼」「読谷山焼」「読谷山焼北窯」の大きく分けて3つの窯からなります。
この登り窯は、「読谷山窯」
火が上に登っていくような造りになっているそうです。
【読谷山焼の売店】
沖縄らしい風景の中を散策するのは、とても気持ちがいいところです。
焼き物に興味が無い人でも十分楽しめるおすすめスポットです。
ゆっくりした時間を過ごしながら、焼き物を探してみるのもいいかもしれません。
散策していると、何かいる!
と思い、近づいてみると…
全く動きませんでした!
近くにきて後ろを振り向いてくれましたが、ボーッとリラックスした時間を過ごしていたのかもしれません。
北窯のやちむん(焼き物)について
読谷山焼(よみたんざんやき)とは?
琉球のやきものは、600年ほど前から中国や朝鮮、日本、東南アジアの国々の影響を受けながら、その色彩、かたち、技法において、琉球独自のものを形成し発展してきました。
かたちも、甕(かめ)、鉢、徳利、碗、皿、壺、香炉、花立、蓋物、祭器などあらゆる生活用器が生み出され、逞しく力強い造形が見所です。
その技法においても、染付、三彩、流、釘彫、象嵌、張付、飛び鉤、刷毛目などがあり、模様は自由自在です。特にこの読谷地域は、多種多様な胎土を採取する地理的条件に恵まれ、また南方渡来の技法による無釉の焼き締、喜名焼(琉球南蛮)が焼かれていたところでもあります。
読谷山焼北窯は、1992年開窯、四窯元が共同で13連房の大窯を焼いています。
引用:北窯売店
宮城工房:宮城正享
1950年沖縄・那覇生まれ。1982年読谷山焼共同窯・山田工房が立ち上がった当初から従事。
その手から美しく使いやすいと親しまれる器が生まれる。
與那原工房:與那原正守
1950年沖縄。平安座島に生まれる。37歳の時、読谷山焼共同窯・大嶺工房に弟子入り。プルシャンブルー、象嵌など、沖縄やアフリカ、アジアをモチーフにした器で独特の存在感を持つ。
引用:北窯売店
私は、この北窯の売店で焼き物を買いました。
中に入るといろいろな焼き物が並んでおり、四人の作家さんの作品を販売しています。
それぞれの作家さんの個性や伝統工芸の技術を使った物など、様々な物が販売しています。
私は「コーヒー好き」なので、毎朝必ず飲んでいます。
いつもガブガブ大量に飲むので、ちょうど大きなマグカップを探していました!
小さいマグカップだと2〜3杯も入れなくてはならないし、いっぺんにゴクゴク飲めちゃう大きなマグカップをずーっと探していました。
そこに巨大マグカップを発見!
「沖縄やちむん」っぽい柄の素敵なカップを見つけて、即買いです。
その他にも、きんぴらとかお漬けものとかを入れられる「蓋付き小鉢」と肉じゃがとかにちょうどいい「器」を選びました。
どれも一点ものの微妙に違う絵付けで、気に入った好みの柄を選んで大満足です。
マグカップ2個、蓋付き小鉢1個、器1個の合計4つをお会計に持っていくと、売店の人が「あらっ、全部同じ作家さんのものよ!あなた、この作家さんが好きなんだと思う。」って言われてびっくりです。
意識をしないで選んだもの全てが、同じ作家さんの作品だなんて趣味がピッタリです。
その作家さんとは?
宮城工房:宮城正享さんでした。
なんともやさしい雰囲気の作風が気に入ったのだと思います。
会計で全部同じ作家さんだよ!って言われて、もう一つ気になっているちょっとモダンテイストの作品たちの話を聞くとまた別の作家さんだということを教えてくれました。
それじゃあってことで、もう一人の違う作家さんの作品も1点購入しました。
あまり沖縄やちむんっぽくはないですが、おしゃれな独特な物が多かったです。
購入したのは、小物入れです。
その作家さんは?
與那原工房:與那原正守(よなはら まさもり)さん
なんとも焦げた金属のような不思議なデザインですが、どこかシックで上品な作品です。
他にもペルシャンブルーのシリーズも素敵でしたが、今回は我慢しました。また次回にいく機会があれば、買ってみたいすごく綺麗なおしゃれな器がいっぱいありました。
売店などを廻って、自分好みの作家さんに出会えることもあるかもしれません。
私は、二人の作家さんが気になってしまいました!
こんな出会いは、この「やちむんの里」に来たからだと思います。
落ち着いた雰囲気の場所作る「焼き物」を是非見に行って見てください。
おすすめです。
私が訪れた12月の沖縄は、暖かくって最高でした。
こんなに過ごしやすい気候のところで「ゆっくりした沖縄」を堪能してみてはいかがでしょうか?
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