トム・サックスによる『小売体験をデザインする』展覧会
現代アーティストのトム・サックス(Tom Sachs)が、小売体験をフルデザインする初の展覧会「Tom Sachs:Retail Experience」が伊勢丹新宿店本館2階=イセタン ザ・スペースで開催。
会期:9月29日から11月30日まで。
見に行ってきましたので、ご紹介いたします!!
美術館のような、ギャラリーのような、お店のような…
新しい感覚でした。
トム・サックスとは?
Tom Sachs
トム・サックス
ロンドンで建築を学び、LAのフランク・ゲーリー事務所で家具制作に携わる。
1990年頃、NYでスタジオ設立。
トム・サックスは、身の周りにある素材を使って現代のアイコンを再現するなど、ジャンルを超越したオブジェやプロダクツを手掛けているアーティスト。
彼の作品は、ニューヨーク近代美術館、パリのポンピドゥー・センター、メトロポリタン美術館ミラノのプラダ財団など、多数の国・美術館においてコレクションされています。
アーティストとしての最初の仕事が「バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)」のウィンドウディスプレイの制作だったサックスにとって関心が高い「小売」にフォーカス。
「購入体験も作品」をテーマに掲げ会場の内装デザインをはじめ、展示している伊勢丹新宿店本館の計12のウィンドウディスプレイもサックスがデザインしたもの。
東京オペラシティ・アートギャラリーで2019年開催した個展
「ティーセレモニー(Tea Ceremony)」で発表した映像作品を紹介。
「アート」「プロダクト」「家具」の3つのジャンルの作品を展示販売。
過去の作品と新作、複数生産した商品と一点物を混在させることで購入体験を演出し、現代アートを取り入れた日常生活を提案するという。
トムサックスの世界
トム・サックスによる「小売体験をデザインする」展覧会。
見に行って見ましたが、あまり訳が分からなくて、スタッフを捕まえて色々と聞いてしまいました。
店舗として、アートを体験しながら、楽しみながら、小売に繋なげることのようです。
イサム・ノグチ庭園美術館とコラボレーションしたランプ作品は、デザイナー的なアプローチも感じられます。
NASAのロゴマークがインパクトあって、カッコよさ!もあって、スタッフTシャツから、何から何まで楽しい売り場?になっていました。
これこそが、小売体験なんでしょう!
《Shop Lounge Chair》
《Coffee Table》
《Tom Sachs x Noguchi Lamp》
《Tom Sachs x Noguchi Lamp》
《Shop Chair》
僕らアーティストの場合、モノの「あかし」
すなわち『生み出されるプロセスや背景を表現できる』。
これは日本ではアメリカよりもはるかに顕著な傾向だし、日本人はそこに強い誇りと名誉を感じる。
僕は長年、テクノロジーと伝統を同時に育むことができる日本文化をこよなく敬愛してきた。
イサム・ノグチの言葉を借りれば
「古い伝統が真に正しい意味で発展した(のが日本文化というもの)」だね。
モノ作りのすべてをさらけ出すこと、それが僕らにとって永遠のゴールだそうです。
この『トム・サックス:店舗体験』展で、まざまざと感じ取ってもらえると思います。
トムサックスの茶碗
東京オペラシティ・アートギャラリーで2019年開催した個展
「ティーセレモニー(Tea Ceremony)」で発表した茶碗を紹介。
あ〜、見逃しました!
残念です。
最近『茶道』を初めて、「茶碗」にも興味が湧いてきていたのでこのトム・サックスの作った茶碗を見て驚きました!
現代的な茶碗って感じで、NASAのロゴが入ったりとちょっとブランドっぽくなっています。
全然、千利休の侘び寂びって感じではありませんが、カッコいい茶碗です。
金継ぎもされていたり、あえて手で作られた感じが出ていたり、指の形が分かるほどでした。
白の茶碗に金のライン、そして赤のNASAマークがとってもポップで自分好みな茶碗:CHAWANでした!
「金継ぎとは?」
金継ぎ(きんつぎ)は、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着することです。その際に金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法です。
金繕い(きんつくろい)とも言う。
価格は、なんと300万円!
僕にはとっても買えない代物でしたが、この茶碗で抹茶を楽しめたらいいなぁと思いました。
しかし詳しくはわかりませんが、これって宇宙で『茶道』をしようってことでしょうか!?
それであれば、日本文化が宇宙へ旅立つ日が来れば嬉しいことですね。
展示は、4つの茶碗がありました。
特に内側が黒く塗られたものが、素敵でした。
これって、あえて割って金継ぎしたのかなぁ!?
絶妙な金のラインが入っていて、偶然から生まれる美しさってことですかねぇ。
『CHAWAN:茶碗』
茶碗の本もあって、中を覗くと数多くの茶碗を制作していることを知りました。
どれも一つひとつ、それぞれ個性的で良いものばかりでした。
どこかでまた見れる機会があれば、実際に見てみたいと思います。
これからの小売のあり方を考えさせられる展示会でした。
おそらくトム・サックスが伝えたい内容を全て理解できていないと思いますが、お店での楽しみ方やモノの売り方など、売る側も買う側も両者が「楽しむ」ことが重要だと思いました。
そこに、ヒントがあるような気がします!
「楽しむ=アート」
アート性が強くなれば、ただ万人受けするものだけはないモノになる。
個性的で話題性が生まれば、それを見て楽しむこともできる。
欲しければ、買うこともできる…。
これからの消費の仕方も変わってくるかもしれませんね。
勉強になりました。ありがとうございます。
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