多くの職人に支えられた「輪島塗」とは?

多くの職人に支えられた「輪島塗」とは?伝統工芸



「輪島塗(わじまぬり)」は、石川県輪島市で生産される漆器です。
丈夫で美しく、堅牢優美な漆器として全国にその名を知られています。

産地である石川県輪島市は能登半島の先端にあります。
人口3万人足らずの小さな街ですが、けやきや漆など漆器の素材が多く揃っていたことなど、輪島には最適な要素が揃っていました。

また、古くから日本海海運の要所であった能登半島。
そのことから、数多くの商人や職人により技術が磨かれてきました。

今日まで続く「輪島塗(わじまぬり)」は、日本の代表する伝統工芸の一つです。



輪島塗

輪島塗

輪島塗の歴史

輪島塗の発祥は、様々な説があります。

約1000年前の大陸伝来説。
15世紀初めに輪島に来た根来僧が普及させた説。
近くの柳田村に伝わる合鹿碗(ごうろくわん)が原型説。

様々な説がありますが、 文明8年(1476年)には輪島に塗師がいたことは明らかになっています。



古くは、縄文時代の「田鶴浜町三引遺跡(たつるはままちみびきいせき)」から漆器が出土しています。


また最古の輪島塗は、室町時代に作られた輪島市河井町の重蔵権現本殿にある「朱塗扉(しゅぬりとびら)」と言われています。


1720年頃に大工五郎兵衛によって特長の一つ、「沈金(ちんきん)」の技術が確立されました。
それまでほぼ無地であった輪島塗に美しい装飾が加わりました。
輪島にて大工五郎兵衛が「槍金」にヒントを得て、大工ノミの刃先で塗り物に彫刻し始めたのが、「沈金(ちんきん)」の始まりと考えられています。

また、蒔絵は1820年頃会津より蒔絵師安吉が輪島に移住してきたことにより発展を見せ、より豪華な装飾が加わることになります。




多くの職人が存在する「輪島塗」


「輪島塗(わじまぬり)」は、古くから分業制が敷かれてきました。
多くの職人が存在する技術が結集している伝統工芸です。


大きく分けるとこのような、分業になります。

木地師(きじし):

轆轤(ろくろ)を用いて椀や盆等の木工品を加工・製造する職人。

下地師(したじし):

彫金の素材となる彫下地 (ほりしたじ) を作る職人。

研ぎ師(とぎし):

漆の密着を良くするため漆器を平滑に研ぐ職人。

上塗り師(うわぬりし):

木地が作った木の器や皿などの木地にを塗る職人。

呂色師(ろいろし):

鏡面のように平らで光沢のある艶(つや)をだす仕上げ職人。

蒔絵師(まきえし):

蒔絵筆という特殊な細筆を使ってで絵や文様を描く加飾職人。

沈金師(ちんきんし):

ノミや沈金刀で漆器の表面に絵や模様を彫り金粉・金箔押し込む加飾職人。

といった、多くの職人が存在します。

それぞれが得意分野に特化した分業をしています。
一生涯をかけて一つの道を極めることが「輪島塗(わじまぬり)」の品質を支えているのがスゴイ!


輪島塗は、100を超える手作業の工程によって成り立っています。
その工程数の多さにびっくりします。


こうした工程のすべてをチェックし、職人達に指示を出しコントロールする、いわば取りまとめるプロデューサーの役を果たすのが「塗師屋(ぬしや)」です。

発注から販売・納品までをトータルに管理します。
こうした独自の分業制が、輪島塗の品質を支える基礎になっています。

 

輪島塗

輪島塗

輪島塗

輪島塗

輪島塗

輪島塗

輪島塗

輪島塗

 

輪島塗:お椀

汁椀・飯椀・吸い物椀・雑煮椀の夫婦椀をご紹介

輪島塗の夫婦椀は贈り物に大変人気です。とりわけ還暦祝い、金婚式祝いのプレゼントに重宝されています。

輪島塗の夫婦椀は、末永く毎日お使い頂けますので、贈り物としての人気の理由の一つです。
無地や加飾の汁椀の夫婦椀のほか、ご飯を頂く飯椀の夫婦椀も長らく人気があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

輪島塗:お箸

漆器の里、石川県輪島で丹念に作られた天然の漆塗りの箸です。
普段必ず使うお箸だからこそ、丈夫で長持ち、そして安全なものをぜひお使いいただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

一生ものの漆器になる「輪島塗」


それぞれの専門分野に磨きを掛けた「職人技」
それらの鍛錬された技術が、最高品質の漆器を生み出しています。

日常的に使う輪島塗はなんとも贅沢ですが、一つでも持ってみたい憧れの漆器ではないでしょうか!?

日本の伝統工芸品として、確かな歴史と技術を持つ「輪島塗(わじまぬり)」
一つひとつの技に触れることで、それぞれの職人さんの本当の良さを実感できるのかもしれません。

使ってこそ、分かる喜び。
一生もの輪島塗を是非使ってみましょう!