オラファー・エリアソン「エコロジーなアート」とは?

オラファー・エリアソン「エコロジーなアート」とは?美術館

今話題の東京都現代美術館で開催されている
「オラファー・エリアソン:ときに川は橋となる
行ってきました!

Olafur Eliaason
Sometimes the river is the bridge.

 

東京都現代美術館

東京都現代美術館

オラファー・エリアソン:ときに川は橋となる

オラファー・エリアソン:ときに川は橋となる

 

エコロジーとアートを探る「オラファー・エリアソン」とは?

オラファー・エリアソン(1967年生まれ)はアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきました。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成されます。それは展覧会のタイトルにも反映されています。エリアソンは言います。「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります。私たちはこれまでずっと、過去に基づいて現在を構築してきました。私たちは今、未来が求めるものにしたがって現在を形づくらなければなりません。伝統的な進歩史観を考え直すためのきっかけになること、それがこうした視点のシフトの可能性なのです。」

オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきました。本展は、エリアソンの代表作を含む、多くが国内初公開となる作品の数々で構成されています。自然現象を再構築したインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品等が展示されます。

エリアソンは、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきました。《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)は、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させます。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながします。さらに、本展覧会では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993年)をご紹介します。アトリウムの吹き抜け空間では、大規模なインスタレーションが本展のために制作されます。

スタジオ・オラファー・エリアソンの活動は美術作品の制作に限定されません。スタジオでは日々、実験とリサーチ、コラボレーションによって、さまざまなアイデアやプロジェクトが開発されています。本展覧会では、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関する近年のリサーチの一部をご紹介します。

(出典:東京都現代美術館

 

太陽の中心への探査 (The exploration of the centre of the sun)

エリアソンが長年にわたりガラスでできた多面体の作品を制作してきた。
本作品の光と動きはソーラーエネルギーが生み出しています。

こうした光の立体作品からはエリアソンの光と幾何学への関心、すなわち生きていくために不可欠な存在である太陽とこの世界を成り立たせている構造や法則への志向が見て取れます。

A solar panel in the museum’s courtyard powers LEDs mounted on a slowly rotating armature suspended within an asymmetrical polyhedron.
The highly reflective, color-limiting panes of glass multiply the light countless times, producing a galaxy-like array of shifting stars in a variety of colors.

 

オラファーエリアソン太陽の中心への探査 olafur eliasson

オラファーエリアソン太陽の中心への探査 olafur eliasson

オラファーエリアソン太陽の中心への探査 olafur eliasson

多面的な光が展示室内に広がっている。
ガラスの間の隙間から放たれる光が床、壁一面に広がり綺麗な線で結ばれている。

それぞれの面の色が異なるっことで透過される色と反射される色で、様々な表現が生み出されていた。おそらく反射した光が重なっているのだろう!複雑な色の組み合わせが見て取れた。

エリアソンの光と幾何学への関心。
ゆっくりと少しだけ回転していることが、また更に太陽や自然を連想させる!

優しい光が癒されます!

 

あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること (Your happening, has happened, will happen)

この作品の展示室には床に置かれたライト以外に何もありません。
しかし誰かがライトの前を横切ると、重なり合う複数の影が壁に投じられます。
「あなたが動いているときだけ、物事が見える」とエリアソンは言います。
行動や変化を起こすことが新たな発見やものの見方に繋がるのかもしれません。

When visitors enter the space they discover a display that amplifies their movements, inviting their engagement and interaction.

 

オラファーエリアソンあなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること olafur eliasson

オラファーエリアソンあなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること olafur eliasson

オラファーエリアソンあなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること olafur eliasson

オラファーエリアソンあなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること olafur eliasson

 

 

サスティナビリティの研究室 (Sustainability research lab)

ベルリンにある「スタジオ・オラファー・エリアソン」では、日々さまざまな実験とリサーチが行われている。
野菜くずの顔料で描かれた水彩画、作品の制作過程で出るガラスや流木の破片を利用した新たな作品、環境負担の少ない材料や形状の研究など、エリアソンのスタジオは世界をより良い場所へと変えていく実践の場でもある。

The studio team is researching sustainable new materials from which Eliasson’s artworks can be made.
This room brings together materials and objects – watercolor pigments made from the kitchen’s vegetable scraps, red clay that detoxifies mineral waste from aluminum mining, collapsible forms that would reduce the environmental impact of transport – as well as additional models and experiments.

 

 

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

 

 

 

力と思いやりの領分:マインドマップ (Spheres of powers and care: Mind Map)

エリアソンは自らのアイデアを深め、スタジオのチームと共有するためにドローイングを描きます。
これらの氷河の氷の水彩画には、私たちの取り巻く地球や環境に対するエリアソンの思考の跡を見ることができます。

Eliasson often uses sketches to develop his ideas.
The drawings here were made on washes of pigment and ink that were co-produced by melting blocks of ice.

 

 

オラファーエリアソン力と思いやりの領分:マインドマップ olafur eliasson

オラファーエリアソン力と思いやりの領分:マインドマップ olafur eliasson

オラファーエリアソン力と思いやりの領分:マインドマップ olafur eliasson

オラファーエリアソン力と思いやりの領分:マインドマップ olafur eliasson

オラファーエリアソン力と思いやりの領分:マインドマップ olafur eliasson

 

野菜のくずの顔料で描かれたカラーパレット。

 

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

 

 

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

オラファーエリアソンサスティナビリティの研究室 olafur eliasson

 

 

人間を超えたレゾネーター (Beyond-human resonator)

大きなガラスのリングによって分光した光が壁に同心円の絵画を描いています。
この作品には暗い海を明るく遠くまで照らす灯台の光の仕組みが応用されており、単純な仕掛けによって見る人に大きな驚きを与えるというエリアソンの作品の特徴がよく表れている。

Prismatic glass ring, color-effect filter glass (blue), LEDs, ballast, stainless steel, brass, paint (white), cable Depth 95 cm, 86.5cm.

 

 

オラファーエリアソン人間を超えたレゾネーター olafur eliasson

オラファーエリアソン人間を超えたレゾネーター olafur eliasson

オラファーエリアソン人間を超えたレゾネーター olafur eliasson

 

おそれてる? (Who is afraid)

ゆっくりと回転する3つの円形のガラス板を光が照らし、壁に複数の円が浮かび上がっている。
大きさの異なるガラス板には特定の波長の光を反射し、補色の光を透過させる特殊な加工が施されています。
同じ大きさのシアン、マゼンタ、イエローの円が重なり合った瞬間にだけ壁に現れるものがあります。この作品はエリアソンの色彩理論の探求から生まれました。

 

Works that explore color theory are prominent in Eliasson’s practice.
The glass discs in this work each have a special coating that reflects light of one color while allowing light of the opposite color to pass through.
When the continuously changing cyan, magenta, and yellow shapes on the wall overlap they mix to produce tones of red, green, or blue – the three primary colors.

 

エリアソンの色彩理論の探求から生まれました おそれてる? (Who is afraid)

エリアソンの色彩理論の探求から生まれました おそれてる? (Who is afraid)

 

 

ときに川は橋となる (Sometimes the river is the bridge)

水が張られた大きなシャーレが空間の中心に置かれ、12のスポットライトで照らされています。
水面が揺れると頭上のスクリーンにはとらえがたいさざなみのイメージが映り出されます。
絶えず変化しつつ徐々に広がるさざなみのような流動する状況をエリアソンは限界を超えるための欠かせない要素ととらえています。
世界との新しい向き合い方を提示するこの作品は本展覧会のための新作です。

The shallow pool at the centre of this work is agitated by a small motor that fills the surface of the water with small waves.
The drawing on the screen above the pool us an ephemeral phenomenon produced anew in each moment through the dynamic interplay of water, movement, and light.

 

エリアソンのときに川は橋となる (Sometimes the river is the bridge)

エリアソンのときに川は橋となる (Sometimes the river is the bridge)

 

 

ビューティー (Beauty)

暗闇の中に霧状の水に光をあてることによって目の前に虹が表れます。
見る人の位置によって虹の色や形は異なります。
「光があなたの目に入らないかぎり、虹はどこにもない」
とエリアソンが言うように、虹を見るという私たちの体験こそがこの作品の本質にほかなりません。
自然現象を自らの手で再現したエリアソンの初期の代表作です。

In the early work, a spotlight shines obliquely through a curtain of fine mist.
Since the experience of the visual effects generated by the interplay of water and light changes in response to visitor’s positions within the room, the artwork exists only in the coming together of eye and objects and is unique for each viewer.

 

 

自然現象を自らの手で再現したエリアソンの初期の代表作ビューティー (Beauty)

自然現象を自らの手で再現したエリアソンの初期の代表作ビューティー (Beauty)

 

 

 

今回初めてオラファー・エリアソンの作品を観ることができました。

言葉で説明するアートというよりも、感じとるアートでした。
後にNetflixで「オラファー・エリアソン」の特集を見てこの人の考え方やアートに対する姿勢など、よく理解ができました。

展示を観に行く前に、勉強しておきたかったと少し後悔してます。
色々とユニークな作品が、楽しめました。

 

 

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