デンマーク刺繍をご存知でしょうか?
デンマークには伝統的な刺繍技法として有名な「クロスステッチ」があります。
デンマーク刺繍の歴史は1700年頃、一部の富裕層や上流階級の人だけが触れることのできるものだったと言われています。それだけ刺繍は貴重な上流階級のものだったということです。
当初は、バロック様式のフレディックボー城のために大きなタペストリーを製作していました。
17世紀のゴブラン織りを再生したりしていましたが、1700年代に入り都市から農村へと徐々に広がったと言われています。
「クロスステッチとは?」
その名前のとおり糸が(×)印を並べることで図柄を作り上げるように刺していく刺繍の技法の一つ。
マス目に沿って刺していく刺繍の基本と言えるのが、クロスステッチです。
クロスの大きさや使用する色数を変えることで、単調で可愛らしいものからまるで写真のような写実的なものまで幅広い表現が可能で、縦横の布目が揃った生地を使用するため初心者や子供でも縫い目が綺麗に揃いやすいのが魅力です。
「クロスステッチの材料は?」
「花糸」
1928年創立デンマーク手芸ギルドが制作している花糸。
「花糸」の名前は、この糸を開発したデンマーク刺繍の著名人デザイナーのゲルダ・ゲングトソンが、草花のモチーフを得意としたことから名付けられました。
1束20メートルあり、10目と12目の麻布には1本取りで、また7目の麻布には2本取りで刺します。
綿100%なので、光沢はありません。
1本の太さが普通の刺繍糸の2本分くらいあり、太めの刺繍糸です。
「麻布」
麻100%のデンマーク刺繍用の布。
縦横の目が均等でハリがある丈夫麻布です。
すべて平織りですが、色味と目の大きさのちがいでいくつか種類があります。
色は、さらした白い生地をbl(ビーエル)、未ざらし(無漂白)の生地をobl(オービーエル)と呼んでいます。これ以外にも、薄青や紺、濃緑、などの色のついた生地もあります。
目の大きさについては、1センチに入る糸目の数で12目、10目、7目と呼び分けます。
通常のクロスステッチは、10目の麻布に、1本取りで行います。繊細な12目、バッグなどに向いている厚手の7目など、作品によって使い分けてください。
伝統手芸をもとに様々な手芸方法で制作する「思い出アート」とは?
アズトモギャラリーが制作する「思い出アート」は、デンマーク「クロスステッチ」の伝統技法と「花糸」と「麻布」を使用しています。